198 研究系及び研究施設の現状
桑 原 大 介(助手)
A -1)専門領域:核磁気共鳴
A -2)研究課題:
a) マジック角試料回転下で双極子相互作用を測定する
A -3)研究活動の概略と主な成果
a) 固体状態の試料をマジック角(MAS)で回転させながらNMR測定を行うと,溶液のスペクトルのような高分解 能スペクトルが得られるが,その代償として,固体物質のミクロな情報に関する貴重な情報を与える化学シフト 異方性や磁気双極子相互作用が失われてしまう。我々は,MAS条件下で失われた双極子相互作用を「MASのも とで高分解能スペクトルとともに」測定する新しい手法を開発した。それを用いることにより,蛋白質中の炭素
―窒素核間距離の測定が,窒素の同位体置換を行わなくても可能となった。
B -1) 学術論文
D. KUWAHARA, T. NAKAI, J. ASHIDA and S. MIYAJIMA, “Novel satellites in a two-dimensional spin-echo NMR experiment for homonuclear dipole-coupled spins in rotating solids,” Chem. Phys. Lett. 305, 35-38 (1999).
C ) 研究活動の課題と展望
NMRの発展は次々と発表される新手法によってもたらされた。そして,今までに開発されたほとんどの手法は, スピン系のハミルトニアンを構成する2つの部分,スピンパートと空間パートのどちらかを manipulate するもの であった。我々は,その両方のパートを同時に manipulate して自分達の望むハミルトニアンを生み出すことので きる「Hybrid NMR 」の完成を究極の目標としている。